“たった5つの数字”を毎月見るだけで、経営の勘は冴えてくる!!

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“たった5つの数字”を毎月見るだけで、経営の勘は冴えてくる

はじめに|なぜか、いつも経営判断に迷うあなたへ

「売上はそこそこある。でも、なぜかお金が残らない」
「新しい投資をしたいけど、今やって大丈夫なのか判断がつかない」

こうした悩みは、感覚や勘だけに頼った経営から抜け出せていないサインです。
でも安心してください。特別な分析スキルや高価なソフトは必要ありません。

毎月“たった5つの数字”を見ていくだけで、経営の勘は磨かれていきます。
今回は、数字に苦手意識のある中小企業の経営者でもすぐに始められる「数字経営」の第一歩をご紹介します。


1|数字を見るクセをつけることが「経営の地図」になる

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会社経営において最も怖いのは、「なんとなく」の意思決定です。
感覚や経験に頼った判断も時には大切ですが、それを補強するのが“数字”です。

数字を見るクセをつければ、

  • 今の経営状態がどこにいるのか
  • どこに向かっているのか
  • どこで舵を切るべきなのか

が、地図のように“見える化”されます。

たとえば、毎月の粗利率が落ちていることに気づけば、
価格設定を見直したり、仕入れ先との交渉を始めるきっかけになります。
経営の「違和感」を数字から先に察知できれば、手遅れになる前に打てる手が見えてくるのです。


2|この5つの数字を、毎月チェックしてみてください

では、どの数字を見ればよいのでしょうか?
答えは以下の5つです。

(1)売上

最も基本的な数字ですが、前年比や前月比などの“推移”で見ることがポイントです。
売上が右肩上がりに見えても、粗利や利益が伴っていない場合は注意が必要です。
売上だけを見ていても、経営の全体像は見えてきません。

(2)粗利

売上から変動費(仕入や外注費)を差し引いた、いわば「会社の稼ぐ力」。
粗利が安定していれば、ビジネスモデルが機能している証拠です。
逆に、売上が増えても粗利が増えていない場合は、商品の値付けやコスト構造に問題があるかもしれません。

(3)固定費

人件費、家賃、通信費など、毎月一定額かかる経費。
この固定費が利益を圧迫していないか、定期的に見直しましょう。
特に、毎月見直しておけば「この支出はそろそろ削れるな」といった判断もつきやすくなります。

(4)営業利益(または税引前利益)

売上からすべての経費を差し引いた、本業で稼げているかの指標です。
補助金や雑収入に頼らず、本業でしっかり黒字を出せているかが、事業の持続可能性を左右します。

(5)現金残高

利益が出ていても、手元にお金がなければ経営はできません。
資金繰りの基礎となる“現金残高”は、毎月必ず確認すべき数字です。
帳簿上の利益が出ていても、実際にはキャッシュが足りずに支払いに困る、という事態は中小企業でよくあります。


3|数字は“比較”してはじめて意味を持つ

数字をチェックするだけでは不十分です。
それを「比較」することで、ようやく経営に活かせる情報になります。

  • 前月との比較 → 変化や傾向が見える
  • 前年同月との比較 → 季節変動や成長性を測れる
  • 予算との比較 → 計画とのズレを発見できる

たとえば、粗利率が数ヶ月前よりも数%落ちていれば、
単価や仕入価格、作業効率などに何らかの変化があった可能性があります。
数字に「比較」というフィルターをかけることで、思考はより現実的・戦略的になります。


4|最初は紙に書くだけでもOK。会議で共有すれば一歩前進

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いきなり会計ソフトやBIツールを使わなくても構いません。
最初は、ノートやホワイトボードに「今月の5つの数字」を書き出すだけで十分です。

できれば月に一度、幹部やスタッフと一緒に数字を見ながら話す時間を持ちましょう。
その時間が、数字をチーム全体の“共通言語”に変える第一歩となります。

さらに、数字を共有して議論する文化が育つと、
現場の担当者も「数字で説明しよう」と意識が変わり、組織全体の思考が論理的になります。


5|「数字で見る経営」に変えると、見える景色が変わる

毎月たった5つの数字を見るだけで、

  • 利益が出る体質への改善
  • 投資や採用のタイミング判断
  • 資金繰り悪化の予兆発見

といった、多くのメリットが生まれます。

また、銀行との関係も変わります。
数字で自社を語れる経営者は、金融機関からの信用が大きくなり、融資の相談もしやすくなります。

経営者の勘や経験は貴重ですが、それを“数字というレンズ”を通して磨くことで、
より正確でスピーディーな意思決定ができるようになります。


おわりに|あなたの経営を“数字で語れる”ように

最初は少し面倒に感じるかもしれません。
でも、数字はあなたの経営の「真実」を教えてくれる存在です。

「数字が苦手」なまま経営を続けるのは、霧の中で車を運転しているようなもの。

まずは「たった5つ」から。
月に一度、数字と向き合う時間をつくることで、経営の視野は必ず広がります。

「経営の勘」を、数字で裏付けていきましょう。
それが、持続可能で強い会社をつくる第一歩です。

ササキ税理士事務所は、「あなたの経営を“数字で語れる”ように」をお手伝いします。
ご興味がありましたら是非ご連絡頂ければと思います。;