償却資産税とは?対象資産や申告方法について知っておきたい基本的知識

償却資産税とは?対象資産や申告方法について知っておきたい基本的知識 税金

償却資産税とは、事業に使っている一定の資産について課される税金です。
所得税、法人税、消費税といった税金に比べて認知度は少ない税金ですが、
1年ごとに申告書を提出しなければいけません。
この記事では、償却資産税とはどういったものなのか基本的なことを説明しています。

償却資産税とは

償却資産税とは、固定資産税の一種で、会社や個人事業主(以下、事業主)が
事業用に保有している一定の資産に対してかかる税金です。

土地や建物に対して固定資産税がかかるのと同じように、
それ以外の資産についても固定資産税がかかります。
この固定資産税のことを償却資産税といいます。

償却資産税は、毎年1月1日時点で保有している償却資産について、
1月末までに償却資産申告書を市町村に申告することで、
後日、納付書が送られてきます。

償却資産税の対象となる資産

ここでは償却資産税の対象となる資産とはどんなものか説明します。

①対象となる資産

償却資産税の対象となる資産は、会社や個人事業主が事業のために
保有している土地、建物、自動車、ソフトウェア以外のほとんどの資産です。

具体的をいくつか挙げると、

  • 借りている事務所や店舗に施した内装工事
  • 製造設備等の機械装置
  • 船舶や航空機
  • 大型特殊自動車
  • パソコン、コピー機、エアコン
  • 医療機器
  • 測定工具

等になります。

各市町村のサイトに対象となる償却資産の例が挙げられてるので
詳細を知りたい方は確認してみてください。

例えば鎌倉市については、下記の鎌倉市のサイトより確認できます。

鎌倉市 償却資産について教えてください。

②償却資産税の対象から除かれる資産について

以下に該当するものは償却資産の対象から除かれます。

  • 土地
  • 建物
  • 自動車、軽自動車 
  • ソフトウェアや特許権などの無形資産
  • 耐用年数が1年未満の資産
  • 1つ10万円未満の資産で、資産計上していない資産
  • 1つ20万円未満の資産で、3年間で一括償却していない資産

償却資産申告書について

償却資産税は、会社又は個人事業主がご自身で償却資産申告書を作成し、
市町村に申告する必要があります。

①償却資産申告書の入手方法

償却資産申告書は、毎年12月頃に市町村から送られてきます。
市町村によっては、市町村のHPより入手することもできます。
開業したばかりの方は、送られてこないこともあるので
その場合には市町村に確認した方が良いでしょう。

②償却資産申告書の提出先

償却資産の提出先は、各償却資産の所在する市町村となります。
例えば、事務所が鎌倉市で、店舗を横浜市に構えている場合には
鎌倉市と横浜市にそれぞれ償却資産申告書を提出することになります。
本社がある市区町村にまとめて申告するわけではないことに注意しましょう。

③提出時期

償却資産申告書は、毎年1月31日が申告期限となります。
なお、1月31日が土・日・祝日の場合は翌平日となります。

④記載内容

1月1日時点で所有している償却資産について、
それぞれ下記の事項を記載します。

  • 資産種類
  • 資産名称
  • 数量
  • 取得年月(年月日ではありません)
  • 取得価格
  • 耐用年数

場合によっては、対象となる償却資産について、
「増減なし」、「該当する資産なし」
とコメントを付すだけの場合もあります。

償却資産税の計算方法

ここでは償却資産税の計算方法について説明します。
なお、償却資産税の金額は、市町村が計算するので納税者自身で計算する必要はありません。

償却資産税は、課税標準額に税率1.4/100をかけて計算されます。
課税標準額とは、各償却資産の購入金額から、現時点までの価値の目減り分を控除した金額のことです。

【計算式】

償却資産税 = 課税標準額 × 税率1.4/100

償却資産税には、課税標準額に足切りが設けられています。
各市町村に所在する償却資産の課税標準額の合計額が150万円未満の場合には
償却資産税は課税されません。
つまり、課税標準額の合計額が150万円以上となってはじめて償却資産税が発生します。

償却資産税の納付について

償却資産申告書と市町村に申告すると、納付書が送付されます。
また償却資産税の納付は4回に分けられていて、それぞれに納期限があります。
納付書が送られてくる時期と納期限については
市町村によって異なるので、注意が必要です。

なお、鎌倉市の例ですと、
毎年4月に納税通知書と納付書が送付されます。
納期限は、

  • 第1期 4月末日
  • 第2期 7月末日
  • 第3期 12月25日
  • 第4期 2月末日

となっています。

鎌倉市 納期限及び納税通知書の発送について

まとめ

償却資産税について説明しました。
償却資産税は、土地や建物に対する固定資産税のように
事業者が所有する一定の資産について税金を課すものです。
事業者は1月1日時点で所有する償却資産について
1月末までに各市町村に償却資産申告書を提出する必要があります。
償却資産税の申告は、日々の経理が重要となります。
基本的には10万円以上の資産は償却資産の対象となるので
申告書の記載漏れが生じやすくなります。
そのため、日頃から帳簿をつけることが必要になります。

償却資産の申告についてご不安な方はぜひ弊所までご相談ください。