給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出書の基本的な事項と記載方法についての説明

法人設立届出書の作成から提出までの基本事項と記載方法の具体的な説明 税金

給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出とは、
事業者が給与等を支払う場合に、その情報を税務署に提出しなければいけない書類です。
特に創業時に提出することが多いです。
この記事では、給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出の基本的な事項について説明します。

給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出とは

「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」とは、
事業者が役員や従業員を雇用する際に税務署に提出しなければいけない書類です。

届出には、給与を支給する事務所の住所、電話番号、責任者氏名、従業員数等を記載します。

届出の目的

一般的に事業者が役員や従業員に対して給与を支給する場合には、
源泉所得税を天引きする必要があります。
そして、事業者がその源泉所得税を税務署に納税することになります。
税務署に給与の支払いと源泉所得税の納税があることを伝えるために、
この「 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」を税務署に提出する必要があります。

提出対象者

役員や従業員に対して給与を支給する事務所を開設、移転、又は廃止した事業者は
給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出を提出する必要があります。

具体的なケースを見ていきます。

①会社を設立した場合

会社を設立した場合には、従業員を雇用しない場合であっても
必ず役員は最低1人はいるので届出が必要になります。

②個人事業主が開業した場合

個人事業主として開業した場合には、
開業時に税務署に提出する「個人事業の開業・廃業等届出書」に
従業員の雇用について記載する箇所があるため、
給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出の提出は不要です。

③個人事業主が開業した後に従業員を雇用した場合

開業時に従業員を雇用しておらず、
その後、従業員を雇用することとなったときには、
そのときに給与支払事務所等を開設したとして、
給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出が必要となります。

④従業員の給与が少額の場合

従業員の給与が少額で源泉所得税の天引きが不要の場合であっても、
給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出は提出が必要となります。

⑤給与支払事務所等の移転や廃止があった場合

給与支払事務所等の移転や廃止があった場合には、
給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出が必要となります。
なお、個人事業主の場合には、
個人事業の開業・廃業等届出書を届出するので
給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出は不要です。

提出期限

給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出書の提出期限は、
役員や従業員を雇用することになった日から1か月以内です。
なお、提出期限内に届出書を提出できなくてもペナルティはありません。
遅れた場合でもあっても提出しておきましょう。

提出期限開設、移転又は廃止の事実があった日から1か月以内

 

提出方法

給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出の提出方法については、

  • 税務署の窓口に直接行く
  • 郵送
  • 電子申告(e-tax)

があります。

提出先は、管轄の税務署となります。
提出先の管轄の税務署は下記の国税庁のサイトより確認できます。

国税庁 税務署の所在地などを知りたい方

なお、窓口に直接行く場合と郵送の場合には、
届出書の控えも持参して受領印をもらいましょう。
控えが無いと、後になって届出をしているのか確認できなくなります。

記載方法

給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出の記載方法について説明します。

給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出は、下記の国税庁のHPより
ひな形が入手できます。

国税庁 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出

①日付

提出する日付を記載します。

②税務署長殿

提出先である住所又は本店の所在地を管轄する税務署名を記載します。

③住所又は本店の所在地、氏名又は名称、法人番号、代表者氏名

申請者である事業者の情報を記載します。
法人番号は、国税庁の下記のサイトより確認できます。
なお、個人事業主の場合には、マイナンバーの記載は不要です。

国税庁 法人番号公表サイト

④開設・移転・廃止年月日

給与支払事務所の開設、移転、廃止した日を記載します。
例えば、会社を設立した場合であれば、設立日を記載します。

⑤給与支払を開始した日

役員や従業員に給与の支払いを開始する日付を記載します。

⑥届出の内容及び理由

開設、移転、廃止、その他のうち、該当するものにチェックを入れます。

⑦「給与支払事務所等について」欄の記載事項

下記⑧の記載事項についての説明です。
上記⑥のチェックを入れた箇所に対応する箇所を確認してください。
なお、法人の設立の場合には、斜線が引かれているので
下記⑧は記載不要です。

⑧給与支払事務所等について

上記⑦の説明に沿って、給与支払事務所等の名称、住所又は所在地、電話番号、
責任者氏名を記載します。

⑨従事員数

役員と従業員の人数を記載します。
確定していない場合には予定でも構いません。

⑩税理士署名

税理士と顧問契約を結んでいる場合に、税理士が届出書を作成した際に記載する箇所です。
ご自身で作成した場合には空欄となります。

まとめ

給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出について説明しました。
この届出書は、給与等を支払う事業者が提出しなければいけない書類です。
記載事項も比較的シンプルなためご自身で作成して提出することも可能ですが、
意外と作成と提出には手間と時間がかかります。
弊所にご相談頂ければ、この届出も代行しますのでぜひお問い合わせください。